換気扇の掃除、どれくらいの頻度で行っていますか?
ある調査によると、年に一回もしくはこれまで一度もしたことがないと回答した人が40%程度を占めており、換気扇の掃除を日常的な掃除として行っている人は多くはありません。
実際に、換気扇の掃除は面倒、億劫なイメージがありますよね。
しかし、換気扇の掃除はつけおきをすれば、簡単に綺麗にすることができます。
とは言え、「つけおきにどのような洗剤を使って行えばよいのかわからない」という方もいるかも知れませんね。
そこで今回は、換気扇の掃除によく使われる重曹、セスキ炭酸ソーダ、オキシクリーン、酵素系票漂白剤、中性洗剤、漂白剤のそれぞれの使い方を解説します。
換気扇掃除でつけおきにオススメの洗剤とその使い方!
重曹の使い方
用意するもの
- 重曹
- ゴム手袋
- 歯ブラシ
やり方
- 換気扇を外します。
- シンクの排水溝を閉じて、シンクにお湯を溜めます。
- 外した換気扇の部品を、お湯を張ったシンクに入れます。さらにそこに重曹を振り入れ、30分ほど放置します。
- 油汚れが浮いてきた換気扇(シロッコファン)は、歯ブラシで擦り落としていきます。
- 取り外しのできない部分は、タオルに重曹と水をつけたもので拭いて下さい。
セスキ炭酸ソーダの使い方
用意するもの
- セスキ炭酸ソーダ
- バケツ
- ビニール袋
- ゴム手袋
- 歯ブラシ
やり方
- バケツにビニール袋を被せ、取り外したシロッコファンを入れ、さらにお湯、セスキ炭酸ソーダを大さじ4杯入れます。
- ビニール袋の口を縛り、このまま30~60分浸け置きします。汚れがひどい時はもう少し長めに浸け置きして下さい。
- シロッコファンを浸け置きしている間に、水500㏄にセスキ炭酸ソーダを小さじ一杯分溶かしたものをスプレーボトルに入れ、フィルターに吹きかけてスポンジで軽く擦り洗いをします。汚れがひどい時は何回か行うと綺麗に落とすことができます。
- 浸け置きしておいたシロッコファンを取り出し、こびりついた汚れを歯ブラシなどで取り除きます。
- 熱湯をかけてすすぎ洗いをして終了です。
オキシクリーンの使い方
用意するもの
- ダンボール
- ビニール袋
- カッター
- オキシクリーン
- セスキ炭酸ソーダ
- 養生用の敷物
- アルカリ電解水
- キッチンペーパー
- カード
- ゴム手袋
- ブラシ
- はさみ
やり方
- ダンボールをガムテープでしっかり補強し、角の一つに水を抜くスリット(穴)を作っておきます。
- ダンボールにビニール袋(2枚重ね)をかけ、先ほど開けたスリットからビニール袋を少し出しておきます。
- 換気扇を分解して、部品を外していきます。
- ダンボールにかけたビニール袋の中にお湯を入れていきます(動画では温度は60℃に設定していました)。さらにお湯にオキシクリーンを2カップ、セスキ炭酸ソーダを半カップ(大さじ3~4杯)入れていきます。
- そこにシロッコファンやフィルターなどを入れて、一時間程度浸け置きします。
- シロッコファンなどを浸け置きしている間に、フードを掃除します。養生用の敷物の上にフードを立て、アルカリ電解水を吹きかけます。カードで汚れをそぐようにし、キッチンペーパーで汚れを拭き取っていきます。フードについているスイッチの部分は軽くスプレーした後、手早くブラシで擦り、キッチンペーパーですぐに拭き取って下さい。
- 続けて換気扇の本体を掃除します。アルカリ電解水を吹きかけ、カードで油汚れを擦り取り、キッチンペーパーで拭きます。
- 浸け置きしていたシロッコファンやフィルターは、ブラシで汚れを落とします。
- 浸け置き洗いが終わったら、スリットから出していたビニール袋をはさみでカットし、排水を行います。
酵素系漂白剤の使い方
用意するもの
- キッチンペーパー
- 酵素系漂白剤
- ラップ
- メラミンスポンジ
やり方
- 換気扇を外し、フィルターの上にキッチンペーパーを被せ、上から酵素系漂白剤を沁み込ませます。(動画ではカバーを下に敷いて、後からカバーも一緒に洗っています)
- その上からさらにラップを被せ、一時間ほど放置します。
- フィルターやカバーを水洗いします。
- 水を沁み込ませたメラミンスポンジをキッチンペーパーで包み、取り外しができない部分を擦ります。
中性洗剤の使い方
用意するもの
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- マジックリン
- ウルトラハードクリーナー
- アルミ板
やり方
こちらは、換気扇の掃除のやり方を解説している動画ではなく、油汚れ落としに対して強めの成分が含まれているものと、自然由来の成分が含まれているものの、洗浄力を比較している動画になっています。
アルミの板に、レンジフードフィルターの手前についている不織布に付着している油汚れを擦りつけて、換気扇の油汚れを再現しています。
それぞれを吹きかけてから20秒ほど放置し、水で洗い流して、どれくらい汚れがとれているのか実験しています。
結果は、マジックリンが一番油汚れが落ちることがわかりました。(※あくまでもこの動画内の実験結果です)
漂白剤の使い方
用意するもの
- キッチン泡ハイター
- パイプハイター
やり方
こちらの動画も、換気扇の汚れを落とすやり方ではなく、漂白剤の洗浄能力を検証する動画となっています。
排水溝にキッチン泡ハイターをスプレーし、5分放置後、水で洗い流すだけで汚れがとれます。
また、排水溝からの水が流れるパイプ部分の詰まりを取り除く、パイプハイターの使用検証も合わせて紹介しています。
換気扇のつけおきが効果的な理由は?
お風呂やトイレの換気扇の汚れは、その多くがホコリのため、浸け置きをする必要はありませんが、キッチンの換気扇となると話は別になります。
キッチンの換気扇の場合、汚れの原因はホコリだけではなく油も多く含まれています。
油は温度が下がって冷めると固まる性質があることから、ホコリなどを巻き込んでカチカチになってしまうため、お風呂やトイレの換気扇の汚れよりも落としにくくなります。
特に大掃除を行う冬は気温が低いので、汚れが固まって落ちにくいと感じる人が多いようです。
汚れがガチガチになってしまった時は、換気扇をお湯につけておけば、汚れがやわらかくなって落ちやすくなります。
冷えて固まった油汚れを、お湯の温度で緩めるイメージです。
これが、浸け置きが効果的と言われる第一の理由です。
そしてもう一つは、浸け置きすることで汚れに対して、洗剤が浸透しやすくなることが挙げられます。
換気扇の汚れを落とすのに使う洗剤は、つけてすぐにその効果を発揮するわけではありません。
洗剤に含まれる成分が汚れと反応するまでには一定の時間が必要となるため、つけてすぐに擦るよりも、ある程度時間を置いて、成分がしっかりと汚れに浸透してから擦る方がとれやすくなります。
このようなことから、浸け置きは頑固な汚れがつきやすい換気扇の掃除では、とても理にかなった方法と言えるのです。
換気扇の汚れをつけおきで綺麗にするコツやポイント
外した換気扇は思っていた以上に大きく、「これをバケツに入れて浸け置きするの?」と思うかも知れません。
実際にはフィルターもあるので、部品全てを一度に入れて浸け置きできるバケツを用意することはなかなか困難・・。
しかし、とても簡単に、かつ、どこも汚さずに浸け置きをする方法があります。
用意するのはごみ袋(できれば2枚)だけ。
ごみ袋を重ねてシンクの中で広げて、そこにお湯を入れて下さい。
後は部品と洗剤を入れて浸け置きすればOK。
これなら、わざわざ大きなバケツを用意することなく、換気扇の掃除が行えます。
なお、浸け置きする時間は汚れの程度によりますが、15~30分が目安です。
浮かんできた油汚れを擦り洗いしても、まだ汚れがこびりついていると言う時は、もう少し長めに浸け置きをするか、一度洗い流して再度同じ工程を行ってみて下さい。
あらかじめ袋の中の空気をしっかりと抜いた方が、洗剤が浸透しやすくなります。(ごみ袋の口は結んで下さい)
換気扇をつけおきするときの注意点!
事前準備はしっかり行いましょう
換気扇の掃除を始める前に、必ず換気扇の電源を切って下さい。
さらにコンセントを抜いておくとよいでしょう。
作業中に電源が入ってしまうと、思わぬ怪我の原因となってしまいます。
同様にキッチンの場合はガスコンロやIHの電源も切るようにしましょう。
また、作業は素手で行わず手袋をし、洗剤などが目に入らないように眼鏡をするなど安全を確保するようにしましょう。
窓を開け、換気を十分に行って下さい。
お湯の温度は高すぎないように
キッチンの換気扇の汚れの原因となる油汚れは、冷えて固まってしまうと落としにくくなるので、お湯に浸けて洗うのがお勧めとなりますが、その際「お湯の温度が高い方が、より汚れが落ちるのでは?」と、高温のお湯で浸け置きしてしまう方がいるかも知れません。
しかし、お湯の温度が高すぎると、部品の塗装が剥がれてしまうことがあります。
換気扇を浸け置きする時のお湯の温度は、45~50℃くらいがよいでしょう。
強く擦り過ぎないように
フィルターに残った汚れをブラシなどで擦り洗いする時は、洗剤をつけてゴシゴシと力を入れてしまうと塗装が剥げてしまうことがあります。
タオルなどで優しく拭き取る方がよいでしょう。
一度で汚れがとれない時は、もう一度浸け置きをして下さい。
細かい部品はひとつにまとめて
換気扇を分解した後の細かい部品は、そのまま浸け置きしてしまうと誤って流してしまう可能性があります。
三角コーナー用のネットなどにまとめて入れて浸け置きをすると、なくしてしまう心配がなくなります。
換気扇を汚れたまま放置するとどうなる?
臭いがこもる
換気扇は部屋の空気を吸い込んで外に出す働きをしていますが、その働きが十分に行われないため、部屋に臭いがこもりやすくなります。
カビや雑菌が繁殖する
ホコリが溜まるとそこにカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
特にキッチンの換気扇は、油汚れもプラスされる上、調理中の鍋やフライパンに落ちてしまうと食中毒の原因になることがあります。
電気代が高くなる
換気扇に汚れが付着したままで使い続けると、空気を吸い込むファンにかかる負担が大きくなり、電気代が高くなってしまうことがあります。
故障の原因になる
汚れがついたままで使い続けると、ファンにかかる負担が大きくなって異音や故障の原因になります。
また、キッチンの場合は食品や調味料に含まれる塩分や水分が付着することで、塗装の腐食が起こることもあります。
換気扇掃除のオススメの頻度は?
換気扇と言うとキッチンを思い出してしまいますが、キッチン以外にもお風呂やトイレにもありますし、それぞれ汚れ方の度合が違うため、一概に「換気扇掃除はこの頻度がお勧め」とは言えません。
ホコリ以外に油や水分が飛び散りやすいキッチンは、汚れの度合が最も高いので、本来は一ヵ月に一回の割合で掃除をするのがよいと言われています。
それが難しいという場合は、年に3~4回を目安に掃除を行うのがよいでしょう。
フードがある換気扇なら、調理の後にフードだけでも拭いておくと掃除が楽になります。
お風呂の換気扇は、キッチンほど汚れがひどいわけではないので、3ヵ月に一回程度の掃除でよいでしょう。
トイレに関しては、主な汚れはホコリになるので一年に一回程度の掃除で良いと言われています。
ただし、異音がする、臭いが残る、ホコリが詰まっているのが見えるなどの場合は、その都度掃除を行うようにして下さい。
自分でできない時はプロにお願いしよう!
換気扇は天井など高い場所についているため、台などに乗って作業をする必要があります。
さらに部品には重さがあるので、力の弱い方や背の低い方は作業自体がとても大変になりますし、分解したものの元に戻せなくなったなど、不慣れな人が行う場合には悩みも尽きないものです。
また、長年のこびりついた汚れは、浸け置きでも綺麗にならないこともありますよね。
このような時は、プロにお任せしてしまうのもお勧めです。
「そうは言ってもプロに頼むと高いのでは?」と思うかも知れませんが、業者によって料金設定や作業内容は様々となっているので、一度検討してみるのもよいかも知れません。
まとめ
換気扇の掃除は面倒に感じてしまう方が多いですが、汚れを放っておくと電気代が高くなったり、食中毒の原因になることも考えられます。
特に汚れやすいキッチンの換気扇は、本来は一ヵ月に一回の掃除が望ましいと言われていますが、難しい場合は3ヵ月に一回程度の頻度で掃除を行うようにしましょう。
また、使用する洗剤によって汚れの落ち方は変わりますが、浸け置きすることで汚れが分解されやすくなります。
合成洗剤を使いたくないという方は、重曹やセスキ炭酸ソーダなどの自然由来の成分を使ってみるのがよいでしょう。
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