重曹は自然由来の成分のため、人や環境に優しく、特に赤ちゃんがいる家庭や肌の弱い人の間で人気となっているナチュラルクリーニング素材の一つです。
衣類などの洗濯に使っている方も多い中、最近は洗濯槽の掃除に利用している方も増えていますが、重曹を使って洗濯槽の掃除をする場合、どのようなことに注意をするとよいのでしょうか。
そこで今回は、重曹を使った洗濯槽掃除のやり方やポイントなどをご紹介します。
縦型、ドラム式によって、掃除のやり方が多少違うため、ご自宅の洗濯機のタイプに合わせて参考になさってください。
重曹を使った洗濯槽掃除のやり方やポイント
縦型
準備するもの
・ごみをすくうネット
・バケツ
やり方
①洗濯槽にお湯を溜め、そこに10ℓあたり大さじ一杯の重曹を入れます。
②ごみ取りネットを外します。
③洗濯機を回します。(脱水まですると水が流れてしまうので注意して下さい)
④洗濯機が止まったら、そのまま5時間以上放置します。
⑤ごみをすくうネットで浮いているごみを取り、すすぎ→ごみが浮いていたらとる、を繰り返します。
⑥すすぎの水にごみが浮かなくなったら終了です。
ポイント
ドラム式
準備するもの
・バケツ
やり方
①ドラム部分に何も入っていない状態で運転を開始し、給水が始まったタイミングで一時停止します。
②ドアの開閉が可能となるギリギリの量のお湯を、バケツなどでドラム内に入れ、カップ一杯程度の重曹を入れます。
③脱水なしの洗いコースを行い、そのまま5~10時間ほど放置します。
④すすぎを2~3回行い、その後は洗濯槽をしっかりと乾燥させて終了です。
ポイント
重曹を洗濯槽に使う時の注意点
重曹を入れすぎない
汚れをしっかり落とすには、重曹をたくさん入れた方が効果が高まりそうと考えてしまいがちですが、それは間違いです。
水の量に対して多すぎる重曹を入れてしまうと、溶け切らなかった分が残り、洗濯槽の脱水穴や排水ホースを詰まらせる原因になってしまいます。
重曹で洗濯槽の掃除を行う時は、水量にもよりますが、カップ一杯程度(150~200g)が目安となります。
水ではなくお湯を使う
重曹は水に溶けにくい性質のため、適量を入れても水には十分溶けない可能性があります。
重曹を使って洗濯槽を掃除する時は、お湯(40~50℃)を使うようにしましょう。
なお、この場合もお湯の温度が高い方が重曹がしっかり溶けて効果が上がりそうと考えてしまいますが、湯温が高すぎると洗濯機を傷める原因となるので、適温を守るようにして下さい。
重曹を使った洗濯槽の掃除のメリットとデメリット
メリット
重曹は弱アルカリ性の成分なのに対し、洗濯槽に溜まりがちな皮脂汚れ、汗、食べカスなどは酸性のため、汚れを分解しやすいという特徴を持っています。
また、重曹には消臭作用があり、洗濯槽の気になる匂いを軽減する効果も期待できます。
さらに重曹は自然由来の成分で、人や環境に優しいことから赤ちゃんのいる家庭や、肌が弱い方でも安心して使えるナチュラルクリーニング素材としてとても注目されています。
デメリット
重曹には皮脂や食べカスが原因の汚れには効果が期待できますが、実はそれらをエサに繁殖してしまったカビや雑菌を落とす働きはありません。
また、重曹は水に溶けにくい性質のため、溶け切らなかった分が洗濯槽の脱水穴に詰まってしまうことも考えられます。
重曹を使っても汚れが落ちない時は?
重曹には洗濯槽の裏側についているカビや雑菌を落とす効果は期待できないため、重曹を使っても汚れがとれない場合は、次でご紹介している酵素系漂白剤の使用をお勧めします。
また、普段、キッチンやお風呂の換気扇の掃除などを自分で行っている方は、洗濯槽の掃除も自分で分解して行えるのでは?と考えてしまいがちですが、洗濯機の内部構造はとても複雑のため、分解するのはとても危険です。
一般的な洗濯槽の掃除方法を行っても汚れが落ちない時は、専門のクリーニング業者に掃除を依頼するのがよいでしょう。
洗濯機の取り扱い説明書には、専門業者以外が分解掃除を行った場合、不具合などが生じても保証の対象外となる旨が記載されていることが多いです。
怪我や思わぬ事故を未然に防ぐためにも、安易に分解掃除を行うのは止めましょう。
重曹以外にオススメの洗剤はこちら!
洗濯槽の裏側にこびりついたカビや雑菌をしっかりと取り除きたいなら、酵素系漂白剤がお勧めです。
酵素系漂白剤の主成分である過炭酸ナトリウムは、水と混ぜることで泡が立ち、この泡が洗濯槽内側の脱水穴から裏側に入り込んで、カビや雑菌を剥がし落としてくれます。
酵素系漂白剤は水に溶けると、水、炭酸ソーダ、酸素に分解されるため、赤ちゃんの衣類の洗濯(しみ抜き)や、コップの茶渋とりなどにも幅広く利用できるので、洗濯槽の掃除以外にも身近なものを除菌、漂白することができて便利です。
また、最近は洗濯槽用の洗剤も市販されているので、「どれを選んだらよいのかわからない」という場合は、洗濯槽用洗剤の購入をお勧めします。
洗濯槽を掃除するオススメの頻度
洗濯槽の掃除は、2~3ヵ月に一回程度がお勧めです。
ただし、湿度のこもりやすい梅雨時や、泥汚れが多い夏場は月一回程度の頻度で掃除を行うのがよいと言われています。
また、長期間洗濯槽の掃除をしていなかった場合は、月一回の掃除をしばらく続け、汚れが出なくなったら2~3ヵ月の頻度にするとよいでしょう。
洗濯槽が汚れる原因は?
一見綺麗に見える洗濯槽ですが、実は脱水穴から裏側に入り込んだ洗剤カスや皮脂などをエサに、カビや雑菌が繁殖していることがあります。
洗濯機を使い続けていると、洗濯しているのに洗濯物が匂ったり、茶褐色~黒っぽい汚れが付着していて、不思議に思ったことはありませんか?
実はこれらは、洗濯槽の裏側についているカビや雑菌が原因です。
また、洗濯機はその性質上、洗濯した後にすぐ蓋を閉めてしまうと湿度が高くなり、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。
さらに、汚れた衣類を洗濯槽に入れたまま放置していると、皮膚のたんぱく質をエサにしてカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
洗濯をしても匂いが気になったり汚れがついていると、洗剤や柔軟剤が足りないのでは?と多く入れてしまいますが、
洗剤や柔軟剤を適量以上に使ってしまうと、溶け切らなかった分は残り、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。
まとめ
重曹を使った洗濯槽の掃除では、洗濯槽の裏側にこびりついているカビや雑菌を取り除くことはできません。
洗濯をしても衣類の匂いが気になる、カスのような汚れがついているといった場合は、カビや雑菌が原因の可能性が高いので、酵素系漂白剤や洗濯槽用洗剤を使うようにしましょう。
なお、重曹による洗濯槽の掃除に全く意味がないわけではなく、皮脂汚れや汗など酸性の汚れを落としたり、洗濯槽の消臭効果が期待できます。
重曹は赤ちゃんの衣類にも使える優しい成分なので、洗濯槽内の清潔を保つ上で重曹を上手に活用していきましょう。
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